休憩

目のなかの睫毛を指で取るときのほのかな高揚に息詰めて

 

夜が来ると白黒になる水面と橋を渡ってきてから思う

 

先っぽがちぎれた足がなびいている七夕飾り 完全な足も

 

近づけば鳴いているのは分かるから葉っぱの影に鳥を探した

 

夕方はよく風の吹く大通りの風をからだで押しわけ歩く

 

びんの蓋を開けられなくて休憩にしたテーブルでびんを眺めた

 

八雁2022年9月号通巻65号